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【いい話マニア集合】日本でいちばん大切にしたい会社(1・2)の感想&登場企業エピソード

3.0
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漫画・書籍 趣味
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初出版は2008年春。それから10年近く経って大きな注目を浴びた書籍『日本でいちばん大切にしたい会社』。遅ればせながら読みました。

今では人気シリーズに成長したこの本、時代背景を考えると求める人が多かったんでしょうか。

誰だって社会に希望を持ちたいし、素敵な話で心を潤したいんやな。

ということで、読んだ感想と、1巻2巻収録分の会社から筆者の心が揺れたエピソードを簡単に紹介。収録内容が気になっている方は参考にどうぞ!

それではいきましょう!

ひよさん
ひよさん

記載している内容は出版当時の情報です

「日本でいちばん大切にしたい会社」感想

楽しみかたとしては、同意や疑問を感じながら読む本かと思いました。どこに視点を置くかで評価はわかれるなー。五段階評価に悩みます。

経営側に興味がある方、いい話や感動エピソードを知りたい方、世の中にどんな会社があるか知りたい方なんかには向いているでしょう。

私はこれらを素直に消化できない部分がありました。読み進めても違和感が無くならない。きっと「著者の主張に合ったいい会社」が並べられた印象が、読み終わっても拭えないんだろう。

また、これは似たような意見が多そうですが、もう少し内部が見える取材があればエピソードに厚みが出たのではないかな~。会社を外から見た感を受けました。

会社とどういう関係かが変われば、当然見方も変わる。だから紹介エピソードを読んでいると、その会社の従業員の声が知りたくなります。

読みながら自分なりの意見を出していき、自身の仕事観を見つめるのがこの本の醍醐味ではないでしょうか。ああでもないこうでもない思いながら、読者のレビューも含めて楽しむコースがオススメ。

以下、感じたことをいくつかピックアップ。

会社の崩壊は内部から

従業員や下請・外注企業が不満や反発を抱えていては、心を込めたサービスや提案はできないでしょう。

私は勤め先で不当な扱いを受けたことがあるので(結局それが決定打になって辞めた。向こうの思惑通り・・・)、ブンブン頷きながら読んだ。笑

本書の言葉を借りると、会社と人との関係ってこれに尽きる。

働き手の満足感を高めるより、まず不満・反発を解消していく。でも軽視されることも多いよね。

会社最高~~~!みたいなモチベーションが上がりまくることってないけど、ネガティブな感情はどこまでも根深くなる。ただそこが軽くなれば、会社への信頼が生まれ始める。こともある。

紹介されている会社たちはこの視点で見ると、実際は別として、働き手に向き合う姿勢が伝わる内容が多かったです。

解説への違和感

学生をはじめ、働きたい人が求めているのは、やりがいのある仕事、働き甲斐のある仕事です。その会社がいちばん大切なことを一番大切にしているかどうかで、働く場所を選択しているのです。(以下略)

いや、これはナイっしょ。

確かに、精神性を求める働き手が精神性に欠ける会社で過ごすのは非常に苦しいもの。しかし同じくらい、契約内容も重要。どっちも大事。

この両方のバランスを作る難しさがあるからこそ、経営の大変さがあるのでは。

著者の価値観がよく見える解説でした。

最初に書いたように、本への違和感は著者の価値観(主張というか価値観だと捉えた)が随所に出てくるからだと思うのね。各エピソードは興味深いんだから、そこが残念で。他のまとめ方ができたはず。

会社にも人間にも共通する「転機」

「何か判断を迫られた時、常識から離れた選択ができるか」が、会社にとって良い方向に進む転機となっているのが興味深い。

例えば、2巻で登場する亀田総合病院・ネッツトヨタ南国株式会社ともに、その業種のサービス内容を考えたら取り組まなくていいことをわざわざ提供しています。

その背景には、会社の転機があります。

あえて常識から離れ、会社にとって必要なものを判断する。その結果が「取り組まなくてもいいサービス」に隠れているのでしょう。

困ったとき、ピンチになったとき。状況が悪くなることをマイナスに捉えず存在意義に向き合い、掲げる未来に向けて今できることを考え、実践していく。

会社も人間も「転機をどう使うか」が重要なんだな、と考えさせられました。

紹介された企業の気になるエピソード

株式会社ファンケルスマイル

「ファンケル」の子会社は、地域貢献の手段として障害を抱えた方を雇用するそう。全国各地から届く採用を願う声があるなか、重い障害の方を意識的に採用する―その理由が本書では解説されています。

継続は、人を変える

ある年に採用された自閉症の女性・Cさん。彼女は他の従業員とコミュニケーションを全くとりませんでした。しかしある日、Cさんについて仕事仲間から「ある報告」が挙がりました。

その報告からCさんとの会話方法を思いついた社員は、ちょっとした方法でコミュニケーションを始めます。

最初は無視をしていたCさんでしたが、段々と応じるようになります。そして・・・


続ければ、何か変わる。そのためのエネルギーは“相手への信頼”ではないでしょうか。

伊那食品工業株式会社

地域満足度やお客の満足度が非常に高い「いい会社」を目指す伊那食品工業株式会社。人件費はコストではなく、社員の幸福を実現するための生活費―そんな会社の経営理念が記されています。

人件費はコストではない

ひとりの従業員により事故が起きた過去があるそうです。その事故は明らかな人的ミスだったので、普通であれば再発防止を従業員に徹底したり、お金をかけない方法で対策は完結させるでしょう。

しかし、当時の工場長であり現会長の塚越さんは、

人の犠牲のうえに会社の売上を高めることは、この会社の目的ではありません

この言葉をもとに、ある決断をします。

中村プレイス株式会社

義足などの人体を支える商品を製作する会社・中村プレイス。その最初の社員とのエピソードがとても興味深く、現代では軽視されがちな人材育成の重要性を考えさせられます。
これは是非、書籍で全文読んでほしいです。

人を信じ、育てる雇用

知人の強い希望で雇用が決まったある青年は、非常にひ弱だった。少し働くと「疲れた」と言い、早々に帰宅する日々・・・。

当然、周りからは辞めさせるよう言われたものの、雇い主で現社長の中村さんは辞めさせませんでした。

『あの子なりに精一杯働いている』という確信があった。

この「人を育てる」雇用は、後々に会社へ大きな自信と人材をもたらします。

この青年の話には、続きがあります。これはほんと直接読んで。


中村さんの「信じて成長を待つ雇用」がなければ、その後も無かった・・・という内容ですが、いくら紹介とはいえ早退を繰り返せば、普通は勤務不良で解雇もあり得るでしょう。他を探すのが近道です。

しかし中村さんは、青年の勤務不良よりも精一杯の勤務態度を評価した。その継続が、お互いの成長に繋がった。

結果ありきのエピソードかもしれません。しかし、そんな従業員を雇うことで想定される最悪のケースは容易に思い浮かびます。

それでも、リスクと自らの確信を天秤にかけて、後者を選択できる人はどれだけいるでしょうか。

期間はさておき、中村さんの雇用姿勢は見習う点がありそうですね。

株式会社柳月

朝の連続ドラマ効果もあり話題となった北海道の大手菓子メーカー・柳月。元々は帯広で60番目に生まれた菓子店だったため、菓子店にある常識に捕らわれず「他と違う菓子を」という想いを大事にしたそうです。

柳月が北海道にこだわる理由

お菓子だけ売っているのではありません。お菓子と一緒に北海道も包んで売っているのです。

お菓子が大好きな若い女性が柳月宛に送った手紙が微笑ましかった!というか、メーカーにお礼の手紙とか送るんすね。考えたことなかったな。

北海道の菓子メーカーと言えば私は「六花亭」派なんですけど、柳月って一個100円以下と安いお菓子が多く、たまたま見つけても買いやすいんですね。

そして新作がどんどん出るから、見ていて飽きにくい。『この組み合わせは柳月、冒険したな・・・』と思うお菓子もありますがw、独自性は見習いたい。

こういった親しみやすさは、柳月の大きな魅力のひとつと思います。

柏屋

企業だから作れる「輪」を実行している

福島県にある菓子店・柏屋は、子供たちの詩をまとめた『青い窓』という小冊子発行を、半世紀続けています。業績が低迷した時期も、本来は経費削減対象であろうこの小冊子も、続けたい一心で存続させたそう。

また、月に一度『朝茶会』としてお菓子をふるまい、住民や利用者のコミュニケーションの場を提供しているとのこと。

周りにいない場合はなかなか子供に触れる機会もありませんが、そういった繋がりを作れるのは地域と密着している企業だからできること。

杉山フルーツ

近年は綺麗なフルーツゼリーが話題の杉山フルーツ。店主の清さんは「フルーツアーティスト」としても活躍されています。元々は果物販売だった個人商店が運命を大きく変えたのは、経営危機でした。

※書籍化当時の情報と思われる内容は省略

客への配慮は、店への信頼となる

平成も始めのころ、集客努力が無くても大型店舗の“おこぼれ”で、それなりに繁盛した杉山フルーツ。

しかしある出来事を機に、経営は大ダメージを受けます。

独自色を強めた結果、杉山フルーツの営業姿勢はお店への信頼になり、高級メロンを年間8,000個も売ってしまえるような大繁盛を見せた。

小さな個人商店が、メロンを何千個も売るワケ。背景には経営危機があったからできた道があるのです。

医療法人鉄蕉会亀田総合病院

世の中には「この病院で死にたい」「正直もう一度入院したい」「一人ぼっちの入院生活も寂しくなかった」と患者が話す病院があるそう。そして患者だけでなく「働きたい」と医療人材も集まる病院でもあり、評判を聞きつけ見学に来る経営者もいるとか。この病院の中には、一体どんな光景があるのでしょうか。

患者のために、何ができるか

亀田総合病院は、地理的な条件を考えると膨大な人数が一日のうちに集まるそうです。

どんな病院なのか、施設の詳細を見てみると・・・

採算度外視で設置したウインドウショッピングのブース。入院が必要な赤ちゃんと家族を繋げるモニターカメラ。病院生活に必要な備品のショッピング代行&レンタル等々!病院とは思えない程のサービスです。

亀田病院のモットーは『allways say YES!』そのために何ができるかー

病院は、病人や病気の不安を抱えた人が集まる場所。そして、病を診てもらい治療する場所。ですが、亀田病院はこう考えます。

病人は、病気である以外は、一般の人と同じ生活をして然るべきです

亀田病院の想いからくるサービスが、患者の心を動かしています。

株式会社樹研工業

愛知県豊橋市にある樹研工業は、松浦現会長とその父親、妻、前の職場仲間であった知人3名の計6名で始めたそう。精密プラスチック部品の分野では世界最強といわれ年商約27億円を稼ぐこの会社は、社員の採用方法がとてもユニークでしたので一部紹介。

ユニークな会社のしくみ

一般的には、従業員を雇う際はまず書類選考を行い、面接で条件を確認しながら採否を決めます。

しかし樹研工業は創業以来「早い者勝ち」。先着順の採用方法を続けています。履歴書を持参されても、大抵は見ないそう。

今までのことより、これから一緒にやろうということが大切です。

あと、面白いなと思った表現があります。

『辞めたいときが定年のとき』

樹研工業の定年制については省略しますが会社を辞めたいなと考えたその瞬間、自分にとってのその会社での定年がきていると捉えると、深いぞ・・・。

ネッツトヨタ南国株式会社

自動車不況と言われる現代でも客数が落ちないことで有名なカーディーラー・ネッツトヨタ南国。車を売る場所でありながら、地元の方のくつろぎの場所として賑わいを見せています。その理由が紹介されています。

売らないショールーム

ネッツトヨタ南国のショールームは車が一台もなく、あるのはテーブルやイス、喫茶店のようなメニューと、心地の良い空間、そしてスタッフです。

車売りがこの場所で何をやっているのか?と感じますが、誰でも気軽に立ち寄れるようにしているとのこと。確かに、ショールームってよく見かける割にはよく立ち寄る場所ではありませんよね。

この「売らないショールーム」にした結果、年間10万人が訪れているそう。

なぜ、車売りが仕事なのに車を並べないのか・・・?

買う側の視点に立って、新しい販売スタイルを確立する。発想の転換と実行する勇気ですね。

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