奔放に行動していた女子が、いじめや親との衝突をきっかけに消極的な性格になっていった。
それだけじゃなく、自分を恥じ、憎み、そして責めるようにもなった。
自分で自分を攻撃している―
ここに気づかぬまま月日が経ったある時、必死に生きていたのに、人間関係も仕事も金銭面も全部うまくいかずに年齢だけ重ねた自分がいた。
その「現実」が見えてしまったことにより、更に自分を恥じるようになった結果、最終的には健康を害した。
これまでフタをしてきた「我慢」の「現実」が限界になった。
これは私が見た私の現実の一部です。どうしてこうなった。
でも、苦しい状況に身を置いた人全員が自己評価が低くなるわけではありません。
じゃあ、自己評価が歪んでしまう決定打はどこにあるか。
それは他でもない、自分の思い込み。
これは色んなサイトで解説されていますが、本記事では「低い自己評価が改善できない」状況にスポットを当てて解説します。
- 自分の価値を低く見てしまうクセがある
- 現実が大変で、どうしても自分を暗く捉えてしまう
- 自己評価を変えたいけど、なかなか変えられない
こんな方々の参考になればと思います。
出来事と自分をイコールにしていないか?

自己評価が低くなる原因は、
自分の価値と起きた出来事を同一視してしまうこと。
つまり、
自分の存在価値と自分に起こった様々な出来事を、イコールとして考えてしまうんですね。
SNSのフォロワーが自分の価値だと思ってしまう、みたいな例えだとわかりやすいでしょうか。
例えば、あなたは社内会議で新商品の提案をします。
で、却下されたとします。
この結果について、どう感じますか。
自信あったけど反応イマイチか~と感じるか、
私が提案した意見はダメなんだ…と感じるか。
どちらのタイプでしょう。
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・
・
この答えが、自己評価が歪むかの分かれ目。
前者は、自分の提案が却下された
後者は、自分の提案が却下された
と捉えています。
何が違うか?
後者は「提案」に「自分」がくっついてます。
でも、会社からみた「提案」に「あなたの」はくっついているだろうか?
答えはNOです。会社はひとつの提案を却下しただけです。
だけど提案した側は、自分の価値と起きた出来事をイコールにしてるから「自分の」という余計な情報をつけてしまう。
このように日常で起こる出来事ひとつを例にしても、捉え方のズレが生じています。
この捉え方のズレが、歪みのはじまりです。
私も後者(自分の提案タイプ)でした。
振り返ると、出来事やその結果に「私の」って名前をいちいちつけてるんだよな~って痛感した。
「提案却下」って保存しときゃいいのに「私の提案却下」と、わざわざ名前を変えて保存する。
○○の学生時代.xlsx
ぼくのミス.txt
私の失恋.txt
自分の失敗.xlsx
名前をつけて保存するのが楽しいならいい。
それが自己評価へ悪影響になってんなら、わざわざつけるなと。
出来事へのイメージが自分になる

毎日良いことだらけだったり、何が起きても超ハッピーな人であれば、別に結び付けていても良いと思うんです。ハッピーだから。
問題は、大変な出来事・予期せぬ出来事が起きた時。
上司や仕事での摩擦、
知人友人恋人との衝突、
家族間トラブル、
金銭問題、
病気、事故
…などなど、想像していない・望まない出来事だって起きます。
そんな時に、自分の価値=出来事がオンだとどうなるか。
一般的に不幸と言われる出来事、或いは不幸と思っている出来事だった場合
「こんな事が起きた自分は不幸なんだ」と消化しがちになる。
私は失敗ばかり…
私って成功のない人生なんだろうな…
自分の××を否定された…
自分って価値がないんだ…
・
・
・
どんな性格や価値観を持ってたとしても、こんな思い込みを抱えるのはキツイに決まってますね。
それは思い込み。切り離せ!

では、こんな思考のクセから解放されるにはどうしたらいいか?
同一視していたことに気がつければ、あとはシンプルです。
これからは切り離して考えるよう意識するだけ。
そして、過去の出来事も切り離していく。
過去のどのような出来事から同一視が始まったか、ピンとこない人もいるかもしれません。
でも、
同一視してしまうきっかけは、これまでの人生のどこかに必ず存在しています。
それを探していく。書き出すのが効果的。
幼いころに親から言われたひとこと、
知らない人からすれ違いざまに言われた心無い言葉、
友達からのちょっとした反応、
大好きな人にされた態度、
上手くいきそうな時期に起こった予想外のトラブル…
振り返るのが大事なので、正解じゃなくていいです。でも、見ないようにしている過去も見ることをオススメします。
人生に黒歴史はありません。全部自分が体験した歴史だから。
小さいころは親にすぐ怒られたけど、
「行動」に怒ってただけで「私の存在」に怒ってたわけじゃないよな…
あの子にやたらいじめられたけど、
「気に入らなかった」だけだったんだよね…
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・
一気に切り離そうとせず繰り返して意識していけば、そのうち急に受け止められる時期がきます。
『あ、私は出来事と自己評価を一緒にしていたんだ』
『ツラかった出来事は、自分の価値とは関係なかったのだ』
そう気付けたら、これからは
どこかにあったはずの、本来の自己評価を取り戻していけばいいのです。
あるナンパ男の割り切り方が興味深い
わかりやすい例が、00年代にヒットしたコミックエッセイ『だめんず・うぉ〜か〜』に登場します。
作者含めてダメ男を好きになる女たちのエピソードを扱った作品です。
ある回に登場した「ナンパ好きだめんず」のエピソードが面白かったので参考に。
その男性はナンパをする際、声をかけた女性がそっけない態度だったりと上手くいかなくても、失敗と捉えないそう。
『あ、機嫌が悪かったんだな※』と思う。で、次の女性を探す。
(※実際は露骨な表現でしたがマイルドにしています)
つまり、
ナンパが失敗しても「自分の魅力が原因でうまくいかなかった」などとは考えない。
たまたまダメだった。
断っているのにしつこく誘ったり、相手に心無い言葉を吐き捨てる男性と比べると、ナンパした側もされた側も傷つかない方法ですね。

ナンパ男
誘いを断られた
(機嫌が悪いのか~次いこ)
誘われた女
断っただけ
(それだけで完結できる)

このように「失敗は自分の価値が原因」と思わなくなれば、チャレンジしやすくなったり、結果に傷つきにくくなれます。
すると、自己評価も凹むことが少なくなり、自分を必要以上に責めることもなく精神的に健康でいられます。
今まで捨てていた自分の可能性を取り戻すこともできるのです。
今の自分の価値と、本来の自分の価値は違う

自己評価を高める、的な言葉がよくあると思いますが
私はこの原因に気が付いてからは「自己評価は戻るもの」と考えています。
元々あったはずの自己評価に、戻っていく。
「自己評価を高める」だと、つい高くしようと意気込んでしまうけれど、
「自己評価を戻す」だと、肩の力を抜いて取り組める気がしませんか?

頑張って上げていこう!

元の自分に戻ればいいのか~
自己評価を戻すうえでのポイントは、
今の自分の価値と、本当の自分の価値は異なる―ということ。
スピリチュアルで有名な言葉に『現実は思考の反映である』というものがあります。
現実を見れば自分の思考がわかる!みたいな意味ですね。
検索すると沢山引っ掛かるので、気になる方は調べてみてください。
これを否定する気はなく、私も信じていたし説得力のある法則だと思います。
ですが、これを実践するとひとつ疑問がわいてきます。
望んでいない現実を経験している時。
『自分は、むなしい現実を経験しなきゃいけない位の価値なのか…』
現実は思考の反映である―その言葉がまた自分を苦しくします。
では、どう考えればいいのか?
・
・
・
現実は思考の反映である
=現実は「今の自分の思考」の反映である
と解釈する。
ひと言加えると、ストンと理解できるのです。
今の自分と本来の自分は、イコールではありません。
ということは、そこには
今の自分と本来の自分とは違う。
という希望ができる。
このように「今の自分」と「本来の自分」の区別ができれば

現実は自分の思考?
自分ってこんなもんか…
と、自分の未来について悲観する必要もなくなります。

現実は今の自分なんだ!
じゃあ本来の自分になってこー
と、現実も見ながら本来の自分に戻れるよう、歩み始められるのです。
まとめ
- 自己評価の低さ・歪みは
起きた出来事に自分を合わせているのが原因 - 起きた出来事は、自分の価値と
切り離して考えていい - 今の自分と本来の自分が一緒とは限らない
低い自己評価が続いてしまっている状況を中心に、その原因と脱却のコツを解説してみました。
少しでも解決のヒントになったでしょうか?参考になれば幸いです!