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性的欲求に向き合えば、隠れた自分が見える―悩める人へ『ボコ恋』のススメ

4.5
5933179によるPixabayからの画像
この記事は約5分で読めます。

今回紹介する作品は、人間が生きるうえで大事なこと上位「性欲」と向き合って見えた―自分という箱の中を赤裸々に綴った実録エッセイです。

タイトルやあらすじを見て恋愛やエロい展開を求めるのは期待外れですのでご注意を。

その代わり、多くの女性の背中を押してくれる作品になるはず。

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『実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。』

実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。/ ペス山ポピー

ネタバレ要素があったほうが興味を持たれる作品だと思い、ネタバレはあえて入れています。ラストには触れませんのでご安心ください。

あらすじ・書籍情報

23歳、処女、恋愛経験なし。だけど、興奮することがある―それは「好みの異性にボコボコにされる想像」。その欲求を満たしたく男性たちと会うも、プレイの難しさに心は病んでいく…
そんなある時、自分と似た感覚を持つ男性からメッセージがくる。そして限界寸前まで殴られ蹴られー…初恋がはじまった。

性的嗜好がこじれまくった作者が落ちた恋とは?そしてその後に起きたことは?ちょっと過激な初恋エッセイ。

くらげバンチ 完結 

>>作品公式ページ 1巻 2巻

感想

Photo by DESIGNECOLOGIST on Unsplash

読んでよかった

タイトルと単行本の表紙だけ見て『モラ男に殴られ続けるうちに好きになっちゃう話かな?』とか思ってしまってごめんなさい。

描いてくださりありがとうございます。

マゾ女の話か…と思わず、じっくり読んでほしい。これを「マゾヒズム」と呼ぶのは、彼女の表現する一部を切り取り、それを更に存在する言葉の中から近い表現を当てはめているだけ。

匿名とはいえ性的嗜好からセルフ行為の方法wまで描くって、かなり勇気のいることかと。フタをされがちなこのテーマをストレートに綴る姿勢は純粋に『読んでよかった』と感じさせてくれると思います。

コミックエッセイって作者を支持できず違和感が残る作品も少なくない(気がします)。だけど本作はテーマもあってか家族や友人は登場しつつも、基本はペス山一色。自問自答。

なので不快感が少なめに、ドキドキしながら最後まで読めます。

もがいたから見えた、女という箱

はじめはただの殴られたいマニアかと思える著者・ペス山ポピーさんの根っこは、非常に複雑。

ずっと抱えていた欲を満たそうとした決意が「女」という箱も開くことになるのですが、そこに辿り着くまで生き辛かったでしょうね。

性的嗜好=独立している欲とせず、そこから始まるザワつきに病みつつも付き合ったから、最終回のあの描写に繋がったのだと思います。

なぜ女性にオススメしたいのか

そしてこれは、ペス山さんだけでなく私たちにも同じことが言えると感じました。

作品を通して自分にも当てはめることができるという意味で、女性にオススメ。男性も読めるとは思いますが、多分制作側は想定してないと。

女性蔑視でもなんでもなく、女性は男性より限界を感じやすい性だと私は思ってて。生きてるだけでぶち当たる壁というか。それは性欲を満たす選択肢を比べると明らかで。そこには性の違いがあって。

現にペス山さんが仮に男性であれば、殴ってほしい欲を叶える選択肢はもっとあったと思います。それどころか、そもそも性的嗜好で大葛藤しなかったかも。事件事故起きなくて良かったよ本当。

…ってことは、自分と向き合うこともなかった可能性だってあります。

つまり、女という性にモヤモヤを抱えているなら、そこを突くと隠れている自分と向き合える可能性がある。

ペス山さんは作品内でこれを表現されています。

性的嗜好をきっかけに、女性である自分を否定していることに気が付きます。嗜好の問題ではなくなってます。以下、一部抜粋。

イケメンに殴られたい(起点)

だけど…
⇒ 『暴力大嫌い!』だが『身体の一部分だけ反応』
⇒ 頭の中で自分を別の生き物に置き換える
⇒ セルフ行為の表現が男性的
⇒ 異性に身体を触れられたくない

性的嗜好を満たそうとしたら、こんなことが見えてきた。

ってことはですよ。

逆にね。

自分の奥に眠る「本当の価値観」に触れてもらうために、性的嗜好が大きくなることもあり得るんじゃないかな~って。

無意識が気付いてもらおうと、あの手この手で自分を刺激している。

そこに私はとても「生」を感じました。

面白いね、人間って。


『変態市場はブルーオーシャン』『サキュバスみてえなオカズ』など、タイトルだけでなく表現もインパクトあります。そして、読んでいてジワジワと涙が出てきた作品は久しぶりです。

ぜひ。

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女性観も男性観も歪んでいる私が言うのもアレですが…

特別な性の好みは持ってなくても、アチコチにある・いる「女」を見て感じる『自分はああじゃない』なんて違和感って意味では、結構わかるかなと思う。

作品序盤にある「抑圧された(した)性的欲求=投獄、懲役」の描写は悲しいけれど、わかるなぁ…。

別に感じなくていいのに、自分のなかの女と世の中にある女のズレを一緒にしないと!という焦りや不安。

年齢を重ねて強くなる『男が羨ましい』。自由な性。

そんな、決めつけなのか諦めなのか余計な荷物は年々増えている身には、くるものがありました。

肉体上変えられない女の部分はありますが、それ以外は自分で作っていいものだと捉えられたら、いいですね。

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