Last updated 19.11.08 -【スピ】既にあるって、どういうこと?

性的欲求に向き合えば、隠していた自分が見えてくる

5933179によるPixabayからの画像
この記事は約4分で読めます。

タイトルと単行本の表紙だけ見て『モラ男に殴られ続けてるうちに好きになっちゃう話かな?』とか思ってしまってごめんなさい。

これを「マゾヒズム」と呼ぶのは、彼女の表現する一部を切り取り、世の中に存在する言葉の中で近い表現を当てはめているだけ…と実感しました。

この作品は、人間が生きるうえで大事なこと上位に入るであろう「性的欲求」と向き合ったことで見えた「自分という箱の中」を綴った実録エッセイです。

人を選びますし、エロ・恋愛要素が気になる方へのオススメはしません。その代わり、多くの女性の背中を押してくれるはず。

ネタバレ要素があったほうが興味を持ってもらえる作品と思い、あえて入れています。ラストには触れませんのでご安心ください。
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『実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました』あらすじ・書籍情報

実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。
23歳、処女、恋愛経験なし。だけど、興奮することがある―それは「好みの異性にボコボコにされること」。欲求を満たしたく男性たちと会うも、プレイの難しさに心は病んだ。
そんなある時、自分と似た感覚を持つ男性からメッセージがくる。そして限界寸前まで殴られ蹴られー初恋がはじまった。

性的嗜好がこじれまくった作者が落ちた恋とは?そしてその後に起きたことは?ちょっと過激な、初恋エッセイ。

くらげバンチ 完結 

>>作品公式ページ 1巻 2巻

感想

Photo by DESIGNECOLOGIST on Unsplash

読んでよかった

描いてくださりありがとうございます。というお礼の気持ちが湧く。

匿名とはいえ性的嗜好から行為の方法wまで描くって、かなり勇気のいることかと。フタをされがちなこのテーマをストレートに綴る姿勢は『読んでよかった』と純粋に感じています。

コミックエッセイって他者を責めたり一方的な見方を貫いたりと、違和感を残す作品も少なくない(気がします)。が、本作品は最後までドキドキしながら読んだ。家族や友人は登場しますが作風やテーマもあってか、終始ペス山一色。自問自答。不快感が少ない。

もがいたから見えた「女という箱」

著者であるペス山ポピーさんは、とにかく自分の性にもがいてます。途中で投げ出すこともできたと思うけど、内側から湧き出る「何か」を無視せず、受け取っている。

はじめはただの殴られたいマニアかと思う著者の根っこは、非常に複雑。ずっと抱えていた欲を満たそうとした決意が「女という箱」も開くことになるのですが、そこに辿り着くまで生き辛かったでしょうね。

性は自分の中で独立している欲とせず、病みながらも付き合ったから最終回の描写に繋がったと思います。その一途さは、読者も一緒に救わるような感覚になります。

女が「性」と向き合う重要性

男性も読める作品ですが、特に女性にオススメの理由。

性別のストレス、とでも言うのでしょうか。別に感じなくていいんだけど、アチコチにある「女」の形をしたマネキンを見てしまう感覚。自分のなかの女と、世の中にある女にあるズレを一緒にしないと!と歪めているのかな。

社会的にも性的嗜好を満たす選択も、男性より限界を感じやすい。満たしても抑制しても生じる違和感、リスク。作品序盤にある「抑圧された(した)性的欲求=投獄、懲役」の描写は悲しいけれど、わかるなぁ…と心にくる。

これって、見てあげられるの自分だけだもんなぁ~~。

自分の身体に違和感があったとしても
自分の身体を差別していいわけじゃない


もうひとつが、今抱えている性的嗜好は本題への入口に過ぎない場合がある、というテーマ。

著者はその例を表現されています。「性的」の前に「性」を否定しており、これはもう性的嗜好の問題ではない。以下、一部抜粋。

イケメンに殴られたい
… 『暴力大嫌い!』だが『身体の一部分だけ反応』
… 頭の中で自分を別の生き物に置き換える
… セルフ行為の表現が男性的
… 異性に身体を触れられたくない

で、性的嗜好と向き合ってこれらが見えた。ってことは、自分の奥に眠る価値観に触れてもらうために、性的嗜好が大きくなることもあるんじゃないかな~って。逆に。

面白いね、人間って。自分の無意識が、気付いてもらおうとあの手この手で自分を刺激している。

そこに、私はとても「生」を感じました。



『変態市場はブルーオーシャン』『サキュバスみてえなオカズ』など、表現もインパクトあります。そして、読んでいてジワジワと涙が出てきた作品は久しぶりです。

ぜひ。

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